
料理家 本田明子さんの"根を張る"おせちの縁起物「たたきごぼう」
前回は料理家・本田明子さんの著書『娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう』から、時間がない時や少量でよい時に作りやすい「栗なし茶巾きんとん」の作り方を紹介しました。今回は、魚や肉などが入った人気の「二の重」の中から「たたきごぼう」の作り方をご紹介します。
“根を張る”という意味があり縁起物とされるごぼうですから、太く張りのあるものを使いましょう。先端のやわらかい部分はたたきごぼうに使い、根元のかたい部分は松風焼きに。
*第1回目の記事はこちら「料理家 本田明子さんのおせち料理レシピかんたん茶巾きんとん」
たたいて割った断面に味が入り込んで美味【たたきごぼう】
お祝い菓子「葩餅(はなびらもち)」にも使われるように、ごぼうは縁起のいい野菜。大地に根を張り、家族や仕事の土台が盤石になることを意味します。
たたきごぼうは、特に関西ではおせちに欠かせない大切な一品。たたいて割ることで繊維が壊れて断面が複雑になり、味とごまが入り込んでなじみます。甘さは家庭によってずいぶん差があるので、味をみながら何度かやってみて完成させましょう。酢水でゆでることで日持ちするようになります。
■材料(作りやすい分量)
ごぼう……25cm(約100g)
水……カップ1 1/2
酢……大さじ1~2
ごま酢衣
|すり白ごま……大さじ4
|米酢……大さじ1~2
|塩……小さじ1/2
|砂糖……小さじ1~3
■作り方
1. すり鉢(なければボウル)にごま酢衣の材料を入れ、よく混ぜる。
2. ごぼうは皮を包丁の峰でこそげるか、たわしでこすって洗う。5cm長さに切り、縦に2~4等分する。水に3~4分さらす。
3. 鍋にごぼうと分量の水、酢を入れて5~6分ゆで、ざるに上げて水けをきる。
4. ごぼうが熱いうちにまな板にのせ、すりこ木で軽くたたく。

① に入れ、ごまをまぶしつけるように全体を混ぜ合わせる。

上手に作れるものを毎年増やして行く
一般的に三段重には6~8人分の量が入ります。お重に詰めながら、空きがでそうだと思ったら、小鉢に盛ったまま詰めたり、葉らんや笹の葉で飾ったり、かまぼこやきんとんなど多めにできるものを足してみてください。料亭ではなく家庭のおせちなのですから素朴なものでも充分。“あなたらしく”がいちばんです。
娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう
著者 本田 明子

娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう
著者 本田 明子
近頃では、なかなか母から娘へと教わることもなくなってしまった「三段重の正統派おせち」。
「母料理」の第一人者・本田明子先生が、現代のお台所事情にあわせて改めて作りやすく解説した、一度きちんとつくってみたかった「正統派のおせち料理」から、お重すら持っていないけど、お皿に盛るだけでおせち気分を味わいたいときに作る「五品おせち」、余ってしまったおせち材料で作る甘味やバリエーションレシピまで。気分で選べる、おせち料理レシピを徹底解説。ほか、冬から春の季節行事の料理もたっぷり紹介。家庭行事料理の基本をすべて使い勝手良く一冊にまとめました。

本田 明子(ほんだあきこ)
料理研究家。1962年生まれ。20歳の時に料理研究家・小林カツ代氏に弟子入り。「小林カツ代キッチンスタジオ」に25年間在籍。多数の料理本のレシピ製作責任者として腕をふるう。2007年独立。現在は「本田明子キッチンオフィス」を主宰。小林カツ代氏の親しみやすく、家庭料理として極められた味を正統に継承しつつ、大らかで明るい人柄そのままの「本田流おふくろの味」で人気。NHK「きょうの料理」などテレビ出演、雑誌・書籍など幅広く活躍中。
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