twitter
insta
facebook
Youtube

講談社くらしの本

おしゃれに、人生に迷ったときに、じんわり心にきくエッセイ 光野桃『これからの私をつくる 29の美しいこと』

twitter
facebook

おしゃれに、人生に迷ったときに、じんわり心にきくエッセイ 光野桃『これからの私をつくる 29の美しいこと』

twitter
facebook

いくつになっても不安や悩みはあるものです。そんなとき手に取ってほしい1冊。

WEBマガジン・ミモレの連載『美の眼、日々の眼』で2017年1月から1年間連載されたものを、「ぜひまとめて読みたい」「書籍化してほしい」との声にお応えしました。その中の一部を抜粋してご紹介します。

日傘とハンカチーフ

初夏になるといつも思い出す情景があります。それはまだ幼かったころ、母と二人で出かけるときのこと。

昭和三十年代、婦人たちは夏となればいち早くコットンやサマーウールの鮮やかな花柄のワンピースに着替え、太いも細いも関係なくおおらかにノースリーブから腕を出していました。
着物の決まりごとに六月には単衣、とあるのと同じように夏はノースリーブ、と決まっていたのでしょう。そしてお出かけには白のバックストラップパンプスとお揃いのハンドバッグ。むき出しになった母のふくよかな二の腕を目にすると、わたしはなぜか安心し、日傘の下でまた手を繫ぎ、歩き出すのでした。
日傘をさす女の人ほど美しい佇まいはない、私は思います。夏の白い光のなかをゆっくり歩いていく姿は、日本女性の美質をすべて表しているような気がするからです。穏やかでたおやかで控えめ。それでいて芯のところは強く自立している。

日傘の下で汗をぬぐう母のしぐさにときめいたときから、いつか大人になったら、と心に決めた、わたしの夏支度です。

笑顔じゃなくても

1冊の本と出会って……

大人なら、そんな感情を露わにしてはいけないと自分を戒めてきましたが、その縛りを解こうと思ったのです
『いい親よりも大切なこと』(新潮社)には「“笑顔”、”元気“が一番、という思い込みをやめる」とあり、喜怒哀楽のすべてを感じ、負の感情とも向き合うことの大切さが書かれていました。
親自身がその人らしく、個性を尊重して生きることが、子どもを育むためにも大切なことだ、と。
三十代のときにこの言葉と巡り合っていたら、どれだけ楽になれたことでしょう。
娘はそろそろ三十路、結婚も視野に入ってきました。そんな彼女に対し、後ろめたい気持ちはいまも消えません。
とはいえ、笑わない母親に育てられた娘は、コロコロとよく笑うキャラクター。その姿を見ると、子どもは生まれもった本来の資質八割で育っていくかも、という気もします。
子育ても仕事も、生きることはすべて、あんまりがんばりすぎないこと、食い下がらないこと。そして自分がまず心地よいこと。
笑顔じゃなくても、それでいい。それがあなたらしいのならば。

目次

第1章 おしゃれをつくる
人生をともに歩む、パールという名の伴走者 秘密の香り 日傘とハンカチ―フ……

第2章 心とからだをつくる
愛を受けとる 正しく立ち、きれいに歩く 笑顔じゃなくても……

第3章 未来をつくる
えっ、わたしって子離れできていなかったの!? 心が震えた言葉 四十代は「人生の土台」をつくるとき……

書き下ろしコラム:季節の知恵をゆっくり楽しむ、ゆる歳時記

これからの私をつくる 29の美しいこと

著者 光野 桃

これからの私をつくる 29の美しいこと

著者 光野 桃

年齢とともに、また日々の生活で変化していく、心とからだ、家族の関係、おしゃれ……。
光野さん自身のエピソード、出会ったもの、人などがつづられています。
連載中から「これから新しい世界が待っているんだと元気をもらいました」「読んだ後は温かい気持ちになります」「悩んだとき、迷ったときに何度も読み返したくなります」「“わたし”に話しかけてくださっているような言葉に励まされました」と反響続々。
日々の暮らしのなかにある、ささやかだけど美しい物やこと。それはあなたの背中を押し、前に進む力をくれます。そんなささやかな「美しいこと」がおさめられています。

profile

光野桃(みつの・もも)

作家・エッセイスト。東京生まれ。小池一子氏に師事した後、女性誌編集者を経て、イタリア・ミラノに在住。帰国後、文筆活動を始める。1994年デビュー作『おしゃれの視線』がベストセラーに。著者は『おしゃれのベーシック』(文春文庫)、『おしゃれの幸福論』(KADOKAWA)、『白いシャツは白髪になるまで待って』(幻冬舎)など多数。

fllow us fllow us

このカテゴリーで紹介されている本