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原田泰治のふるさとを描く旅ー9月の一枚

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原田泰治のふるさとを描く旅ー9月の一枚

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日本各地、ふるさとの風景を描き続ける素朴画家・原田泰治さん。1982年4月からの朝日新聞日曜版掲載の絵を描くために、全国47都道府県すべてを自らの足で歩いて取材しました。127回の連載が終わった後も各地を取材し、「日本の今」を作品に残しています。その旅の絵222点を都道府県別に収録したのが『原田泰治ARTBOX ふるさと日本百景』(2009年刊)です。

長野県諏訪市の原田泰治美術館では、その絵の中から全47都道府県それぞれ選りすぐりの1枚の原画を展示した「原田泰治と巡る47都道府県 ふるさと日本百景」と題する展覧会が開かれています。展示作品の中から季節に添った一枚を毎月1点ずつご紹介します。

湖面を渡る風にゆれるコスモス

「コスモス」 福井県三方郡三方町(現・若狭町) 1995年 655×535㎜

「コスモス」 福井県三方郡三方町(現・若狭町) 1995年 655×535㎜

かすかな風にゆれるコスモスの花は美しい。一面に咲く高原もあるが、やはり、そっと咲いている姿に心をひかれる。子供のころ、花びらを数枚ぬきとり、空に向けて投げると花はクルクルと回転しながら舞いおりてきた。懐かしい遊びである。 (原田泰治)


湖面に映る空は茜(あかね)色。そしてさらに湖面を染めるのはコスモスの色。濃い薄いピンク、桜色、紫。一輪ちぎって空に投げ上げた幼い日。すぐそこに、手の届くところにコスモスがあった日々。遠い夢のようです。

たたき網漁や柴漬け漁、ウナギ筒漁など、三方五湖では今でも環境に優しい伝統的な漁法が行われています。絵に描かれた船も、そんな漁法のひとつなのでしょうか。穏やかな時が流れます。遠くの空は夕焼け色、船もしまい支度なのかもしれません。

霜が降りる頃になっても小さな花が残り、「行く秋をいつまでも楽しませてくれる花」、原田先生はコスモスをそんなふうに表現しています。

原田泰治と巡る47都道府県 ふるさと日本百景—2022年2月27日まで

諏訪湖に臨む美術館は、1998年の開館。

ゆっくりと絵との対話が楽しめる。

会期:2021年6月17日(木)~2022年2月27日(日)
休館日:月曜(祝日開館)、9月14日、12月7日、年末年始
〒392-0010 長野県諏訪市渋崎1792-375  ℡:0266-54-1881
https://www.taizi-artmuseum.jp/
*会期中、展示替えがあります。

原田泰治ARTBOX ふるさと日本百景

著者 原田泰治

原田泰治ARTBOX ふるさと日本百景

著者 原田泰治

行った、見つけた、描いた! 心の故郷風景、季節や祭り、行事や各地のくらしの風景を描いて30年。「原田泰治の世界」選りすぐりの222景がコンパクトな画文集に。変わらないモノ語りを親から子へ贈る。

profile

原田泰治(はらだたいじ)

1940年長野県諏訪市生まれ。63年武蔵野美術短期大学商業デザイン科卒業。82年より朝日新聞日曜版に「原田泰治の世界」を2年半にわたり連載。日本全国各地、アメリカ5大都市、ブラジル2大都市、中米3カ国にて展覧会を開催。
現在、デザインの仕事を手がける一方、画家として制作活動を続ける。

構成/からだとこころ編集チーム

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