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講談社くらしの本

私の好きな原田泰治の絵 心に残る三月の一枚

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私の好きな原田泰治の絵 心に残る三月の一枚

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諏訪市原田泰治美術館の名誉館長でもあるさだまさしさんが、「私の好きな原田泰治の絵」にあげたのは、ハワイ・マウイ島に咲くジャカランダの名木を描いた「ジャカランダの丘」(1990年)。

日本のふる里の風景、自然のなかで慎ましやかに生きる人々の姿を描き続ける原田泰治さん。原田さんと交流のある各界著名人が選んだ「心に残る絵」「記憶に刻まれたとっておきの情景」を集めた著書『私の好きな原田泰治の絵』から、季節に添った今月の一枚をご紹介します。

石垣が見守る時の流れ

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「夜桜」 香川丸亀市 1999年 803×1000㎜
月明かりの城は威厳を漂わせ、桜が花を添え、祭りちょうちんが華やかさを盛り上げる。丸亀城の石垣の雄大さと高さには、驚嘆させられた。どんな時代になろうと、石垣は時の流れを見守りつづける生き証人である。
(原田泰治)

『私の好きな原田泰治の絵』p.52-53

『私の好きな原田泰治の絵』p.52-53

高さ日本一の石垣を有し、「石垣の名城」として知られる丸亀城。400年前にひとつひとつ積み上げた石工たちの技術に敬意を表しながら、「原田泰治さんが石垣を描き上げた情熱に圧倒される」として、「私の好きな原田泰治の絵」にこの「夜桜」をあげたのは、映画監督の山田洋次さん。石を絵に描いたというよりは埋め込むように、まさに築き上げた「何百トンもの重量感が伝わる」とおっしゃいます。
丸亀城の内堀から天守にかけて積まれた石垣は、「扇の勾配」と呼ばれる美しい曲線を描き、三層三階の木造天守は国の重要文化財として大切に保護されています。城下に雪洞(ぼんぼり)灯る桜の季節。400年前と変わらぬ月が、石垣と満開の桜を照らします。

山田監督は、2004年公開の藤沢周平原作の時代劇『隠し剣 鬼の爪』のポスターデザインを、原田さんに依頼しました。旧知の原田さんにお願いするにあたって、監督のイメージにあったのはまさにこの「夜桜」。監督のイメージ通りに仕上がった作品は、「数多いぼくの映画の中でも際立っていて、自慢のポスター」だそうです。
石工と原田さんと監督と、思いは時代を越えて繋がり、積み重ねられて、絵も映画もそしてポスターも、観る人の胸に迫ります。
構成/からだとこころ編集チーム

私の好きな原田泰治の絵

著者 原田泰治

私の好きな原田泰治の絵

著者 原田泰治

日本人の心のふる里を描き続ける原田泰治の作品。 33人の著名人たちが選んだ26作品を、それぞれのエピソードとともに紹介します。
永六輔さんの好きな絵は佃島の下町の音が聞こえそうな「路地」、萩本欣一さんは「木枯らし坂」⋯⋯。「原田さんの絵は心にしっかり届く」と語る建築家の安藤忠雄さんが選んだのは「友禅流し」。
各地の心に残る四季の風景、小さなふる里のひとコマが広がります。

profile

原田 泰治(ハラダ タイジ)

1940年長野県諏訪市に生まれる。1963年武蔵野美術短大卒業。1973年複十字シール・デザイン・コンクール特選。1980年小学館絵画賞受賞。1982年4月から、朝日新聞日曜版に「原田泰治の世界」を127週にわたって連載。1984~86年「原田泰治の世界展」を全国22会場で開催。1987~88年「ナイーフ三人展-原田泰治とユーゴの仲間たち」を各地で開催。1989年から2年にわたりアメリカ合衆国の5都市で「日本の四季を描く原田泰治の世界」を開催。同展覧会は帰国後、全国33会場を巡回。1998年信州諏訪湖畔に「諏訪市原田泰治美術館」開館。1999年紺綬褒章を受章。2001年11月より2002年にかけてブラジル(サンパウロ、リオデジャネイロ)にて「原田泰治の世界展」を開催。2002年中米3ヵ国(メキシコ、コスタリカ、ニカラグア)にて「日本の心」を伝える絵画展・講演会を開催。2008年郵便事業(株)ふるさと切手「ふるさと心の風景」シリーズを全国発売。2011年財団法人逓信協会第56回前島賞受賞。主な著書に『さだおばさん』『原田泰治自選画集』『日本の歌百選』『日本のふる里』など。

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