
歩きにくいと感じたら、さぁ、クルクルトントン!
外出の機会が減り、さらに暑くなって運動不足になりがちな今日のこのごろ。ただでさえ、年を重ねると、背中が丸くなってきたり、膝や腰が痛くなってきたり……、悩みを抱える人が増えてきます。年だからとあきらめないで。筋肉はいくつになっても若返らせることができます。家の中でできて、道具もいらない、かんたんな運動で、悩みを解決しましょう。
床に座ってみましょう

脚を伸ばして、床に座ってみましょう。膝裏が床についていますか? 骨盤を立てることができますか?
床にうまく座れない場合は、椅子に座ってチェックしてみましょう。骨盤をたてることができますか? 膝を伸ばせますか? うまくできない人は次のような症状が出ている可能性があります。
●脚の関節の動きが悪い
●背骨(下部)が硬い
●シニア特有の姿勢になっている
●動き全体が悪い
●膝痛・股関節・腰痛になる可能性がある
このような症状が出たり、体の歪みがあるのは長年の生活の姿勢、座り方、歩き方の癖で一定の筋肉ばかりを使っているから。筋肉の使い過ぎ、筋肉のアンバランスを招いているせいです。そのためには、使えなくなっている筋肉のトレーニングをすることが大切。
膝裏がついていなかった人は、さぁクルクルトントンをやってみましょう!
クルクルトントン!
片脚を伸ばして座り、膝の下にタオルを入れます。膝の上を両手で持ちます。壁などに背をもたせかけても大丈夫です。

まずはクルクル。
ももをクルクルと回すように動かします。手で脚を引き抜くように動かします。内ももや外ももを押さえながら動かすと筋肉の改善が早くなります。

次にトントン。
手で脚を持ち上げ、膝裏をタオルでたたきつけるように動かします。膝上を押さえながら行うと、膝がしっかりと伸びるようになります。
かんたんな運動なので、テレビを見ながらや、布団の上でも行えます。
脚が伸びる、膝が伸びる、ももが上げやすくなる、歩きやすくなるなども効果があります。

床に座れなかったら、椅子に座って行ってみましょう。この時、椅子は浅く座ります。片脚を伸ばし、かかとを支点にクルクル回すように動かしましょう。
※トントンは膝裏を支えられないので、行わないようにしましょう。
有吉与志恵
コンディショニングトレーナー。一般財団法人日本コンディショニング協会(NCA)会長。株式会社ハースコーポレーション最高技術責任者(CTO)。福岡県出身。中学・高校時代はスプリンターとして活躍。日本体育大学卒業。運動指導者として30年以上のキャリアを積み、筋肉を鍛えるよりも整えることで、体調と体型を劇的に改善できる「コンディショニングメソッド」を確立。高齢者から現役アスリートまで幅広い層へのセルフコンディショニング指導のほか、学校や企業、地方自治体向けの講演・講習会や指導者の育成にも情熱を注いでいる。著書多数。
”頑張らない運動”で若返る!シニアのクルクルトントン体操
著者 有吉与志恵

”頑張らない運動”で若返る!シニアのクルクルトントン体操
著者 有吉与志恵
"背中が丸くなった““腰痛““膝痛““股関節が曲がっている““肩こり”“尿もれ“……多くのシニアの抱える悩みです。
年を重ねて、身体が思うように動かなくなったり、関節の動きが悪くなるのは、筋肉にアンバランスが生まれているから。「高齢になると、筋肉がなくなるからね」と言われそうですが、筋肉はいくつになってもトレーニングができます。
筋肉は年を重ねると、生活の姿勢の癖、座り方、歩き方の癖で一定の筋肉ばかりを使っています。その使い過ぎている筋肉よりも、使えてなくなっている筋肉をトレーニングすることが悩み解消への道。
シニア向けのクルクルトントン体操は、膝をクルクルと回したり、トントンと打ちつけるだけ、仰向けに寝て手を上下させるだけといった簡単な体操ばかり。テレビを見ながら、ベッドの中で気軽にさぁ、あなたもクルクルトン!