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講談社くらしの本

三月の花と菓子

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三月の花と菓子

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武者小路千家家元後嗣・千宗屋が綴る茶のある暮らし。自然の花を床の間に移し、叡山で祈り、若き作家と出会い、N.Y.を旅する365日。淡々としかし脈々と続く日々の暮らしを切り取るインスタグラムから垣間見えるのは、新しいニッポン歳時記。『茶のある暮らし 千宗屋のインスタ歳時記』から季節の営みをご紹介します。

もてなす心-春のしつらえ

p.62-63

p.62-63

秋口の火が恋しくなってくる季節に、風炉をお客様に近づける「中置き」というお点前がありました。逆に少しずつ気温が高くなっていく今の季節には、火の気をあまりお客様に見せないという配慮がなされます。透木釜(すきぎがま)という、炉を覆うような釜がかけられ、炉段を傷めないように透木があてられます。(62ページ)

63ページ右上の棚は蛤棚(はまぐりだな)。天板が蛤をかたどっており、雛の季節や潮干狩りが始まるこの時期に用いられます。

右下の備前花入に生けられたのは加茂本阿弥椿。紫色の小花は都忘れ。風雅な「都忘れ」の名には、佐渡へ遠流になった順徳帝にまつわる故事もあります。花芽が勢いよく上に向いているのは虫狩りです。

そして63ページ左上の掛け物は武者小路千家十三代有隣斎の書「春風 春水 一時に来る」。にわかに春めき、春はもうやって来ていたという白居易の詩の結句です。

季節を先どり桜のお菓子

p.78-79

p.78-79

78ページ、総織部の皿にひらりと舞い降りたのは赤坂塩野製の「花衣」。79ページには関東風・虎屋の桜餅、関西風道明寺の桜餅(赤坂塩野)、塩芳軒の花見団子と、桜に因んだお菓子が並びます。

上段真ん中は松江・三英堂の「菜種の里」。松江藩七代藩主・松平不昧(ふまい)公お好みの打ち物は、春の菜畑を蝶が飛び交うさまを表現しています。

「寿々菜さく 野辺の朝風そよ吹けば とひかう蝶の 袖そかすそふ」  不昧公

                                      (構成/生活文化チーム)

『茶のある暮らし 千宗屋のインスタ歳時記』

著者 千宗屋

『茶のある暮らし 千宗屋のインスタ歳時記』

著者 千宗屋

武者小路千家若宗匠が綴る古くて新しい「ニッポン歳時記」。元旦に飲む大福茶とは? 7月31日は深夜に登山? 八朔の意味は? 武者小路千家次期家元の暮らしから見える日本の春・夏・秋・冬。

profile

千 宗屋(せん・そうおく)

1975年、京都府生まれ。武者小路千家家元後嗣。斎号は隨縁斎。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学大学院前期博士課程修了(中世日本絵画史)。2003年、武者小路千家十五代次期家元として後嗣号「宗屋」を襲名。08年には文化庁文化交流使としてアメリカ・ニューヨークに一年間滞在。現在、慶應義塾大学総合政策学部特任准教授、明治学院大学にて非常勤講師も務める。17年にはキュレーターとしてMOA美術館にて「茶の湯の美」をテーマに展覧会を行った。古美術から現代アートにいたるまで造詣が深い。著書に『茶―利休と今をつなぐ』(2010)、『もしも利休があなたを招いたら』(2011)ほか。

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