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講談社くらしの本

行事食を知ると、暮らしがもっと楽しくなる!

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「ハレ」と「ケ」という言葉を知っていますか?
「ハレ」とは晴れ着や晴れの日というようにお祝いやお節句などの特別な日。それに対して「ケ」とは普段の生活、日常のことをいいます。
礼儀作法や冠婚葬祭など日本のしきたりに詳しい岩下宣子さんは、「日本人は、『ハレ』日には晴れ着を着て、美味しいご馳走を食べて心と体のエネルギーを充電し、発散してまた普段の生活に戻るということをくりかえしてきました。平凡な日常があるから『ハレ』の日が輝くのです。『ケ』ばかり続いてもつまらないし、毎日が『ハレ』の日ばかりでも疲れてしまいます」と語ります。
「ハレ」と「ケ」は、いわば生活のメリハリ。衣食住すべてが特別な「ハレ」の日は、それぞれに特別な食事「行事食」があります。
今回は、岩下さんの著書『図解 日本人なら知っておきたい しきたり大全』から、冬至、お正月、節分まで「冬」の行事食をテーマにお届けします。

[冬至の七種]「ん」のつくもので体を温めて運気アップ!

「冬至」は、旧暦で用いられていた季節の指標「二十四節気」の一つ。日にちはその年によって変わりますが、冬至の初日(2020年は12月22日)は、一年中で太陽がもっとも南に寄り、日本がある北半球ではこの日が一年のうちでもっとも昼が短い日です。
冬至といえば「ゆず湯」に入ること、かぼちゃの煮物が「行事食」として知られています。栄養豊富な冬野菜のかぼちゃが日本に伝わったのは16世紀頃。原産地のカンボジアが由来の「かぼちゃ」という呼び方のほかに、当時の中国王朝の首都だった南京を経由して渡来したことから「なんきん」とも呼ばれていました。
江戸時代には、冬野菜の代表格として一般にも定着。「なんきん」をはじめ「にんじん」「ぎんなん」といった「ん」のつくものが、冬至の行事食として関西を中心に広がっていきました。


「ん(運)」がつく[冬至の七種]

“運盛り”といって「ん」がつく食べ物は縁起がよく、冬至の日に食べると風邪をひかない、出世するといわれています。
なかでも「ん」が2つつく「なんきん(かぼちゃ)」「にんじん」「れんこん」「ぎんなん」「かんてん(寒天)」「きんかん (金柑)」「うんどん(うどん)」は、運気がさらに高まる「冬至の七種」。
いろは四十七文字が「ん」で終わることから、一年を締めくくり、よくないことが続いた後にいいことが巡ってくる「一陽来復」の願いも込められています。

[お正月のおせち料理]家族が集まって新年を祝う「ハレ」の日のご馳走

古代中国から伝わった行事「節供」のお祝い料理だった「御節供(おせちく)」が、とくに正月料理として民間にも広がったのは江戸時代の初期から中期の頃。江戸時代末期には、一つひとつに意味を込めた料理を重箱に詰める現代のものに近いかたちになりました。
五段重ねの重箱は、4段目は「シ(死)」を連想させる「四」を避けて「与の重(よのじゅう)」と呼び、5段目は、家々に新年の幸せをもたらす「年神様」から授かる福を詰める場所として空にしておきます。
また、各段に詰める料理は、3、5、7の吉数(奇数)の品数で、四隅を空けないようにするのも、おせち料のしきたり。年始を迎えるにあたってのさまざまな祈りが込められた料理のなかでも、祝い肴と呼ばれる3品は、お屠蘇をいただく際のつまみとして一の重に詰めます。

[祝い肴三種]

関東では、黒豆、数の子、田作り。関西では、黒豆または田作り、数の子、たたきごぼう。

黒豆

「まめ」に働き、健康に暮らせますようにとの願い。また、黒豆には魔除けの力があるとされている。

田作り(カタクチイワシの稚魚の甘露煮)

イワシは畑の肥料にも使われることから「田作り」「五万米」と呼ばれ、豊作を願う。「ごまめ」とも呼ばれ、黒豆と同じように健康を祈る意味も込められている

数の子

ニシンの卵。ニシンは多くの卵を産むことから多産、子孫繁栄を願う

たたきごぼう

ごぼうは、地中に根を深く張ることから代々続くようにとの願い、また、ごぼうをたたいて身を開くことに、開運祈願の意味も

[節分の福豆]二十四節気では翌日から春。豆をまいて邪気を払う

冬と春、季節の境目にあたる「節分」は、旧暦でいえば「大晦日」のようなもの。日にちは毎年違いますが、江戸時代以降は立春の前日を指すようになり、2020年は2月3日が「節分」にあたります。

福豆

豆まきに使う豆を、自分の年の数、地方によっては年の数より1つ多く食べることで、鬼退治(邪気祓い)ができるとされる

福茶

年配者など年齢の数だけ豆を食べるのが大変な場合は、豆に昆布、梅干しなどを加えたお茶を飲んでもよい

伝統的な豆まきの方法

豆まきに使う豆は「福豆」と呼び、まいた豆から芽が出ると縁起が悪いので、必ず炒り豆を使う。鬼を射る(炒る)=邪気を祓う、という意味もある。豆は、枡に入れ、鬼が嫌うといわれる柊(ひいらぎ)、鰯(いわし)、山椒の木で作ったすりこぎを添える。
奥の部屋から順に玄関へと進んでいく。窓を明けて、ひと部屋ずつ豆をまいたら、すぐに窓を締めて、最後に玄関にまいて、戸をしっかり閉める。

「鬼」とは季節の変わり目に生まれる邪気、災いや病気を起こすと信じられた悪い気のこと。形のないものであり、伝統的な豆まきでは鬼役はいなくてよいとされています。
豆をまくのはその家の主人(家長)、または「その年の干支生まれは吉運」とする考え方があり、年男(現代では年女も)の役目。子どもやその他の家族は、豆をまく人についてまわり、豆をまいたらすぐに窓や戸を閉めます。

profile

岩下 宣子

「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事長。1945年、東京都に生まれる。共立女子短期大学卒業。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとで学ぶ。1984年、現代礼法研究所を設立。マナーデザイナーとして、企業、学校、商工会議所、公共団体などでマナーの指導、研修、講演と執筆活動を行う。
著書には『知っておきたいビジネスマナーの基本』(ナツメ社)、『ビジネスマナーまる覚えBOOK』(成美堂出版)、『好感度アップのためのマナーブック』(有楽出版社)、『図解 社会人の基本マナー大全』『図解 社会人の基本 敬語・話し方大全』などがある。

図解 日本人なら知っておきたい しきたり大全

著者 岩下 宣子

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●暮らしと暦 年中行事
●人生の節目のお祝い
赤ちゃんのお祝い/子どものお祝い/おとなのお祝い/長寿のお祝い
●慶事のしきたり
●弔事のしきたり
●おつきあいのしきたり
挨拶とお辞儀/和室でのふるまい/訪問とおもてなし/食にまつわるしきたり/日常の心遣い
●贈答のしきたり
●手紙のしきたり

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