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令和の今こそ知っておきたい、お正月の「しきたり」とは

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令和の今こそ知っておきたい、お正月の「しきたり」とは

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日本には、奈良平安の古の時代から現代まで続く行事やお祝い事がいくつもあり、そこから生まれた「しきたり」があります。

「“しきたり”は現代風に言い換えればマナー。自分に『心の余裕』を与え、相手に『思いやりの心』を伝えるためのルールなのです。現代は、誰もが時間に追われて忙しいうえに、昔ほど四季を感じられない時代になっています。だからこそ、古くからのしきたりを通して、季節を味わい、昔の人の思いを感じ、日本の文化や知識を得ることは、私たちの日々の生活を豊かにするために大切なことだと思うのです」と、マナーデザイナーの岩下宣子さんは語ります。

今回は、わかりやすく、日本のしきたりに親しめる岩下さんの最新刊『図解 日本人なら知っておきたい しきたり大全』から、新しい時代「令和」になったからこそ知っておきたい“日本のしきたり”をピックアップ。伝統行事の意味から冠婚葬祭や贈答、手紙の書き方まで、今すぐ役立ちます!

旧暦とは?  季節や行事の基準として長い間親しまれた「和の暦」

現在私たちが使っているカレンダーは、世界各国が採用している「グレゴリオ暦」という太陽暦が用いられています。日本では、西暦1873年1月1日に導入され、それまで使われていた太陰太陽暦(天保暦)を「旧暦」、グレゴリオ暦を「新暦」と呼んでいます。

●旧暦 天保暦(てんぽうれき)
1844年(天保15年)2月18日~1872年12月31日(明治5年12月2日)まで約29年間使用。
月が新月から次の新月になるまでを1ヵ月とする「太陰暦」と、地球が太陽の周りを1周する時間の長さを1年とする「太陽暦」を併用する「太陰太陽暦」。

太陰太陽暦は古代中国から伝わって以来、日本の気候風土に合わせて何度か改暦・改定しながら、明治時代にグレゴリオ暦が導入されるまで長い間用いられてきました。奈良平安から続く伝統的な行事やお祭りは、旧暦に合わせて行われることが多く、現代でもカレンダーには旧暦の日付が記されていることがよくあります。
また、旧暦には、季節を知る目安として「二十四節気」や「七十二候」が取り入れられていました。

●二十四節気(にじゅうしせっき)
太陽の運行をもとに、1年を「節気」と呼ばれる24の期間に分けたもの。1つの節気は約15日間、6つの節気ごとに春夏秋冬に区分し、季節を知るよりどころとして、農作業の目安や行事、手紙に用いる「時候の挨拶」など暮らしの中のさまざまなことに取り入れられています。

●七十二候(しちじゅうにこう)
二十四節気をさらに約5日おきに分けて、気象の動きや動植物の変化を知らせるもの。日本の気候風土に合うように改定され、その時期の気候や動植物の変化を短文で表現しています。

「行事」とは心の受け渡し、季節感を伝えていくもの

「日本の伝統行事は、家族総出で用意をして、力を合わせて作り上げていくもの。それをしないと伝統文化は継承できません。また、皆でおこなうことを通じて、お金で買えない宝物のような思い出がたくさんできます」(岩下さん)

年末年始は、古くからの行事や風習の多い時期です。これを機会に、伝統行事の意味やしきたりを知って、令和最初の新年を迎えましょう。
まずはお正月の準備から。旧暦で十二月十三日は『正月事始め』といって新年を迎える準備を始める日とされています。この日、神社やお寺では神社仏閣の内外を清める「煤払い」を行うのが伝統。また、昔は、門松に使う木を取りに行く「松迎え」、注連飾りや鏡餅などの正月飾りを用意して、新年を迎える準備に取りかかりました。

「昔の人は祖先様の魂が田や山の神になり、お正月には年神となって、子孫の繁栄を見守ってくれるのだと考えていました。たくさんの幸せを授かるために、年神様をお迎えしてお祝いする行事がお正月。少し早いような気がしますが、実は、余裕をもってお正月の準備にとりかかるにはちょうどいい時期なのです」(岩下さん)

●正月飾りをつけてはいけない日
9がつく日:「九松(くまつ)=苦が待つ」、とくに29日は「二重苦」で縁起が悪い。
30日と31日:旧暦の月末「30日」と大晦日「31日」に正月飾りをつけることは「一夜飾り」といわれ、年神様に対して失礼にあたる。

●正月飾りをつけておく期間(松の内)
一般:12月13日~1月7日まで
関東:12月8日~1月7日まで
関西:12月13日~1月15日(小正月)まで

[年賀状のしきたり]新年を寿ぐ「賀詞」は敬意を表す4文字で

年賀状に書く新年を祝う言葉を「賀詞」といいます。
「よく使う「賀正」は、「恭賀新正」を簡略化した言葉で、尊敬の意味を持つ「恭」が省略されていて、とくに目上の人に送る年賀状にはふさわしくありません。本来、賀詞は送る相手によって使い分けるものですが、何種類も作る手間が大変。親しい人にも、目上の人にも同じ年賀状を送りたい場合は、2文字の賀詞は避け、「謹賀新年」「恭賀新正」など4文字の賀詞を選ぶとよいでしょう」(岩下さん)

●親しい人、目上の人にも使える4文字の賀詞
謹賀新年:きんがしんねん(謹んで新年をお祝い申し上げます)
恭賀新正:きょうがしんせい(恭しく新たな年をお祝い申し上げます)
敬頌新禧:けいしょうしんき(恭しく新年の喜びをお讃え申し上げ奉ります)

相手に対して敬意や丁寧な気持ちを表す「謹」「恭」「敬」「頌」などが入った、礼儀にかなった挨拶の言葉です。とくに、上司や取引先、目上の人には4文字の賀詞が適しています。

●親しい人、目下の人への賀詞

1:文字の賀詞
 寿、福、賀など
2:文字の賀詞 賀正、迎春、新春など

親しい友人や後輩、部下などの目下の人に使う。
漢字1文字や2文字の賀詞は、新年を迎えたことやおめでたいことを述べているだけで、相手に対する敬意や丁寧さに欠けています。

●目上の人に宛てる年賀状には不向き

文章の賀詞
:新年おめでとうございます
英語の賀詞:Happy New Yearなど

文章の賀詞は、目上の人に宛てる場合は冒頭に敬意を表す「謹んで」を加えましょう。

●喪中に年賀状をいただいた場合
1月7日(松の内)を過ぎてから、喪中につき年始の挨拶を控えた旨を書いた「寒中見舞い」、目上の人には「寒中御伺い」を出します。
相手に「年賀欠礼状」を出していなかった場合は、「連絡が行き届かず、申し訳ありませんでした」などとお詫びのひと言を必ず添えましょう。

profile

岩下 宣子

「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事長。1945年、東京都に生まれる。共立女子短期大学卒業。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとで学ぶ。1984年、現代礼法研究所を設立。マナーデザイナーとして、企業、学校、商工会議所、公共団体などでマナーの指導、研修、講演と執筆活動を行う。
著書には『知っておきたいビジネスマナーの基本』(ナツメ社)、『ビジネスマナーまる覚えBOOK』(成美堂出版)、『好感度アップのためのマナーブック』(有楽出版社)、『図解 社会人の基本マナー大全』『図解 社会人の基本 敬語・話し方大全』などがある。

図解 日本人なら知っておきたい しきたり大全

著者 岩下 宣子

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著者 岩下 宣子

令和になったからこそ、知っておきたい、日本の季節、年中行事、冠婚葬祭を気軽に学べる。累計17万部突破のシリーズ最新作。

和の暦で季節を知り、伝統行事で心を知る。
日本人が大切にしてきたしきたりは、新しい時代にもきっと役立つ!
豊富なイラスト、簡潔な解説で、わかりやすく、しきたりに親しめる1冊です。

●旧暦について~二十四節気と七十二候
●暮らしと暦 年中行事
●人生の節目のお祝い
赤ちゃんのお祝い/子どものお祝い/おとなのお祝い/長寿のお祝い
●慶事のしきたり
●弔事のしきたり
●おつきあいのしきたり
挨拶とお辞儀/和室でのふるまい/訪問とおもてなし/食にまつわるしきたり/日常の心遣い
●贈答のしきたり
●手紙のしきたり

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