twitter
insta
facebook
Youtube

講談社くらしの本

記事に掲載されているグラフに惑わされていませんか?

twitter
facebook

記事に掲載されているグラフに惑わされていませんか?

twitter
facebook

ネットやSNSの発達で、医療や健康に関する情報は身近なものになりつつあります。
でも「本当に信じていい?」「何かあやしい気がする」と思うものも。そこで「見極める目」を持つことが必要な時代になりました。多くの具体例から、見抜くポイントを紹介した『教養としての健康情報 ~「それ」本当に信じていいですか』から学びましょう。

グラフは「数値」ではなく「軸」を見る

ダイエット関連の番組や記事などを見ると、研究データなどの紹介としてグラフが表示されていることがよくあります。

こうしたグラフを見るときに、見るのは、「数値」ではなく「軸」です。見過ごされがちな縦軸・横軸には、実はそのグラフの本当の意味を知るために重要な、情報が入っているんです。

まず大事なのは「単位」

例えば、あるダイエット法を行った前後での体重の変化を示している場合です。通常、縦軸の単位はキログラムですよね。しかし、もしこれがグラム単位で書かれていたとしたらどうでしょう。1㎏痩せた、と書かれているのと1000g痩せた、と書かれている場合では、後者のほうが効果ありそうに感じてしまいそうです。

  

また、キログラム単位で書かれていたとしても、身長160cm、体重150kgのかなり大柄な人が5kg痩せるのと、身長160cm、60kgの普通体型の人が5㎏痩せるのとでは、数字上は同じ変化でもその意味は大きく違います。

  

こうした偏りを考慮した指標としてBMI(体格指数)というものがあります。

もし縦軸の単位をBMIで表示している研究があったとしたら、慎重に効果を検証しようとしており、結果を信頼してもよいのかもしれない、ということが感じ取れます。

「省略」を意味する波線には要注意

またもうひとつ、縦軸の途中に「二重の波線」が入っていないかどうかを見ることも重要なポイントです。

波線は「省略(抜粋)」を表しています。「グラフは全体ではなく、ある範囲だけを抜粋しています」、というメッセージです。

  

以下に示した2つの図を見てください。

体重90kgの人が1kgだけ痩せたような場合は、全体を棒グラフで示すと、上の図ではほとんど変化がないような見た目になります。

一方で下の図のように途中を省略し、体重85kgから90kgまでを抜粋して表示した場合、1kg減っただけでも、まるで2割体重が減ったかのような印象を受けます。

  

波線による省略は、「わずかだけれども意味のある変化」を示すためのテクニックとしては意義のあるものですので「使ってはいけない」ものではありません。しかし一方で、意味があるかどうかは不明な変化を、意味があるように印象付けるために使われることもあります。

グラフの縦軸に波線が表示された図を目にしたら、一度冷静になって、本当に意味がある結果なのかどうかを考えてみたほうがいいかもしれません。



プロの見極め術

グラフを見るときには、数値より前に「軸」に注目。

ポイントは「単位」と「波線」に気を付けること

教養としての健康情報

著者 市川 衛

教養としての健康情報

著者 市川 衛

「それ」本当に信じていいですか?

現役NHKチーフディレクターが健康情報のウソ・ホントを徹底検証。

「鼻にワセリンを塗ると、花粉症がよくなる」「1日6時間睡眠を続けると、徹夜明けのようになる」「インフルエンザが流行したとき、マスクをしたほうが予防できる」「お酒を飲むと記憶力がよくなる」……。いま、医療や健康に関する情報があふれています。
その情報は玉石混淆。本当に信じでいいのでしょうか?
健康情報の取材を続けるNHKチーフディレクターが、経験から言えること。本当に「役に立つ」医療・健康情報は思った以上にシンプル。
そのウソ・ホントを見抜くワザをもつと一生役立ちます。具体例を参考にしながら読む進めていくと「健康情報リテラシー(見極める目)」が身につきます。

profile

市川 衛(いちかわ まもる)

医療の翻訳家。NHKチーフ・ディレクター。メディカルジャーナリズム勉強会代表。京都大学医学部非常勤講師。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。【主な作品】「テレビ」NHKスペシャル「腰痛 治療革命」「医療ビッグデータ」ためしてガッテン「認知症! 介護の新技」など。(書籍)「脳がよみがえる・脳卒中リハビリ革命」(主婦と生活社)「誤解だらけの認知症」(技術評論社)など。

fllow us fllow us

このカテゴリーで紹介されている本